Rhapsody in Yellow

音楽雑談をメインにしたブログ。

Category: 1990年


90年代にリリースしたシングルナンバーを1日1曲レビューしていきます。

本日のナンバーはこちら。

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カルアミルク / 岡村靖幸
1990年12月1日リリース
最高位:61位、売上:1.1万枚

どんなものでも
君にかないやしない

日本のファンクミュージシャンとして現在も活躍中の男性ソロアーティスト、岡村靖幸。
近年では若い世代とのコラボも活発に行っており、DAOKOやKICK THE CAN CREW、そして先月にはライムスターとの新曲「マクガフィン」が配信リリースされた。

今日は、そんな岡村靖幸の曲を取り上げる。

1986年にメジャーデビュー。
プリンスを彷彿とさせるような独創的な作風とパフォーマンスで、徐々に人気を獲得していった。
デビュー以前から他者への楽曲提供なども行なっていて、渡辺美里や川本真琴といったブレイクアーティストを手がけた時期もあった。

「カルアミルク」は1990年12月にリリース。
アルバム「家庭教師」からシングルカットされた。
桜井和寿率いるBank BandやDAOKOといったさまざまなアーティストにカバーされたり、映画「モテキ」に使用されたりと、今では彼の代表曲とも言える作品だ。
男性の未練と本能を、時代性のあるフレーズに包んで表現した歌詞が胸に突き刺さる、ミディアムナンバーに仕上がっている。
彼の作品の中でもストレートな部類の曲だが、ムーディーなアレンジやリアリティのある歌詞の面から、彼の独自の世界観もしっかり投影されている一曲だ。

紆余曲折もあった彼だが、現在は再び精力的に活動を続けている。
下の世代とのコラボもあり、若者の間でも岡村靖幸の音楽が再評価されている。

カルアミルク
カテゴリ: ロック




90年代にリリースしたシングルナンバーを1日1曲レビューしていきます。

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AGAIN / KATZE
1990年11月21日リリース
最高位:58位、売上:0.7万枚

愛する風に吹かれたい
愛する夢に抱かれたい

80年代終盤から、バンドブームというものが起こった。
BOØWYやTHE BLUE HEARTS、JUN SKY WALKER(S)、ユニコーン、PRINCESS PRINCESSといった現在でも語り継がれるバンドが人気となった。
また、イカ天やホコ天といった、アマチュアバンドがメジャーの切符を掴む場も多く設けられて、新たな才能が発掘されていった。

今日は、そんなバンドブーム時に人気となったが、活動期間が短かった為、今では伝説となっているロックバンドの曲を取り上げる。

KATZEは1988年にデビューした、山口県下関市出身のロックバンド。
翌89年に発表のアルバム「STAY FREE」のリード曲「STAY FREE」が話題となり、当時のバンドブーム期もあり、リリース毎に売り上げを伸ばしていった。

「AGAIN」は1990年11月にリリース。
自身最大ヒットとなったアルバム「LOVE IS HERE」と同時発売された。
エネルギッシュなバンドサウンドに、キャッチーな歌メロが絡む、アッパーチューンに仕上がっている。
さまざまな表情を見せるギターの音色や、熱情を感じるエモーショナルなボーカル、それを包むように支えるリズム隊といった、このバンドのいい所がバランス良く投影した一曲だ。

この曲をリリース後の91年3月に解散を発表し、僅か2年半というメジャーでの活動期間となった。
当時人気を博した他のバンドとは違って、コマーシャリズムに反発したこともあり、ライブなどで地道に人気を積み上げてきた彼ら。
その当時を知るコアなバンドファンにとっては、今でも根強い人気となっている。

AGAIN
カテゴリ: J-Pop






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花 / おおたか静流
1990年11月21日リリース
最高位:71位、売上:1.9万枚

泣きなさい 笑いなさい
いつの日か いつの日か 花をさかそうよ

長い間歌い継がれている名曲が存在する。
2000年代のカバーアルバムブームやYouTubeなど手軽にタイムスリップできるツールの発達などもあり、過去の名作たちが若年層にも浸透しやすくなった時代になった。

今日は1980年に誕生し、後にさまざまなアーティストによってカバーされ知れ渡った沖縄発の名曲を取り上げる。

おおたか静流は1989年にデビューした女性歌手。
当初はユニットとして活動していたが、翌90年にソロとして再デビュー。

そのデビューシングルとして選んだ曲が、1980年に喜納昌吉&チャンプルーズが発表した「花~すべての人の心に花を~」だ。
沖縄のスタンダードになっているこの曲だが、知名度が上がったきっかけのひとつがこの彼女のカバーシングルだ。
当時、AXIAのカセットテープのCMソングに起用され、話題になった。
原曲をバラードにしたアレンジで、原曲の良さは残しつつ、彼女のストレートな歌声が心地よいゆらぎを感じさせてくれる一曲だ。
まるでヒーリングミュージックのような、心が浄化される作品に仕上がっている。

その後も1995年に沖縄出身歌手の石嶺聡子が同曲をカバーし、知名度を飛躍的に上げたこの曲。
日本のみならず、海外のアーティストにもカバーされ、今や日本の歌としてワールドワイドに知名度もあるこの曲。
おおたか静流も、ジャズや民族音楽をはじめとした多国籍ジャンルのアーティストとして活躍していくことになるので、まさにこの「花」のカバーは、彼女の今後の歌手人生を暗示した一曲になった。

歌詞の「泣きなさい 笑いなさい」というフレーズは、作者の喜納昌吉が1964年の東京五輪の閉会式の光景からインスパイアされたそうだ。
国籍や人種をこえた絆が生まれたことがきっかけで、この「花~すべての人の心に花を~」という楽曲が誕生した。
2020年の東京五輪でも、この曲のような感動の場面を、きっと目撃することが出来るだろう。

長い間歌い継がれている名曲の持つエネルギーは、歌い手が変わっても秘めたるものがある。
この「花」も、今後もさまざまなアーティストによって形を変えながらも、歌い継がれていくことだろう。


おおたか静流ベストコレクション-花-



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メリークリスマスが言えない / 稲垣潤一
1990年11月1日リリース(オリジナル盤8cm)
最高位:10位、売上:14.1万枚
1991年11月1日リリース(再発盤8cm)
最高位:100位圏外
1994年11月16日リリース(Remix盤8cm)
最高位:85位、売上:0.4万枚
2000年11月22日リリース(再発盤12cm)
最高位:87位、売上:0.3万枚

It's hard to say "Merry X'mas"
君はどこで 思い出すのだろう

ハロウィンが終わり、次なるビッグイベントのクリスマスへ向けて商戦が始まった。
この時期になると、毎年音楽業界でもクリスマスをテーマにした曲が生まれてくるが、山下達郎の「クリスマス・イブ」やB'zの「いつかのメリークリスマス」といった定番ソングも、街のどこかで流れはじめてくる。

今日は、クリスマスをテーマにしたビッグヒットソングを持っている男性ソロアーティストの曲を取り上げる。

稲垣潤一は1982年にデビューした男性シンガー。
同年「ドラマティック・レイン」がCMソングに起用され大ヒットとなる。
以降、暫くヒット曲は生まれなかったが、1992年にドラマの主題歌となった「クリスマスキャロルの頃には」はミリオンセールスを記録した。

彼のクリスマスソングと言えば、この「クリスマスキャロルの頃には」が有名だが、その2年前にもクリスマスソングを発表していた。
それが、1990年11月にリリースされた「メリークリスマスが言えない」だ。
「クリスマスキャロル~」と同じく秋元康が作詞を手がけ、カメリアダイアモンドなどで知られている「ブティックJOY」のCMソングに起用され、彼のシングル作としては「ドラマティック~」以来のTOP10入りを果たした。
以降、これまでに5回もシングル作品として再発売され(4回は↑に情報あり、あとの1回は1993年に「クリスマスキャロル~」との両A面で12cm盤でリリース)、オリジナル盤も含め3回チャートインを果たした。

本来のクリスマスの厳かな雰囲気が溢れる、優しいバラードナンバーに仕上がっている。
恋人と過ごした過去のクリスマスを回想している内容の切ない歌詞が、情景の浮かぶアレンジとともにじわりと染みる、これからの時期にぴったりな作品だ。

山下達郎の「クリスマス・イブ」をはじめ、2000年代以降はGacktの「12月のLove song」やラルクの「Hurry Xmas」といったクリスマスシーズンに何度も再発売される楽曲が多いが、幾度も再発売されたこの「メリークリスマスが言えない」もこの時期に聴きたくなるような作品と言える。

ミリオンヒットの「クリスマスキャロル~」に比べると、やや知名度が薄くなってしまった「メリークリスマスが言えない」だが、クリスマスのムードを秀逸に表現した名作なので、是非ともこちらもチェックしてほしい。

メリークリスマスが言えない
カテゴリ: ポップ




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Self Control / 浅香唯
1990年10月31日リリース
最高位:13位、売上:2.6万枚

惑わされずにSelf Control
迷いはあるけれど

90年代初頭は、アイドル氷河期と言われていた。
80年代に人気を博した音楽番組が軒並み終了し、バンドブームなどもあり、それまで活動していたアイドルは路線変更を余儀なくされた。
女優やバラエティーに進出し人気を盛り返したアイドルや、本格派アーティスト路線に転向したアイドルもいる。

今日は、そんな80年代後半に人気となったアイドルの、路線変更のきっかけとなった曲を取り上げる。

浅香唯は1985年にアイドル歌手としてデビュー。
86年から87年にかけて放映されたドラマ「スケバン刑事Ⅲ」の主役を演じ話題となり、役名義でリリースした「Remember」や主題歌の「虹のDreamer」が1位を獲得するなど、人気に火が点いた。
翌88年には「C-Girl」や「セシル」といった彼女の代表曲が生まれ、この時期の彼女は日本一忙しいアイドルとも言われていた。

90年代に入り、同世代に活躍したアイドルが新たな展開を見せていたが、彼女は音楽の面で変化があった。
そのきっかけとも言える作品が、1990年10月にリリースした「Self Control」だ。
これまでのアイドルミュージックの流れを汲んだ明るく軽快なアレンジだが、歌唱法を変えていて、ハスキーボイスでささやくようなスタイルになっている。
落ち着いた声質と、ロックテイストな曲調とのコントラストが面白い、クセになるような一曲だ。
自身が作詞を初めて手がけ、ファッションの面でもイメチェンを施したということもあり、アイドル時代からの脱却の一歩を感じられる、意欲作となった。

同じ1990年には、南野陽子の「へんなの!!」や渡辺美奈代の「ピチカート・プリンセス」といった同時代のアイドル達がこぞって変化球とも呼べる作品を発表していた。
「Self Control」で路線変更をした浅香唯もその後、1993年の一時休業までこれまでとは違った作風の楽曲を発表していった。

近年は再び、バラエティなどでも見かける機会が増え、音楽活動も精力的に行っている。
今年、「スケバン刑事Ⅲ」で「風間三姉妹」として共演した、大西結花と中村由真とともにライブも行うなど、往年のファンも楽しませている。


シングル・コレクション


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