90年代にリリースしたシングルナンバーを1日1曲レビューしていきます。

本日のナンバーはこちら。

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ラストチャンス / Something ELse
1998年12月23日リリース
最高位:1位、売上:99.8万枚

give me a chance
最後に賭けてみたいんだ

番組の企画から生まれたヒットソングが存在する。
人気芸能人がバラエティの一企画で音楽活動を行ったり、素人や売れないアーティストの救済計画としてテレビでバックアップする企画だったりと、さまざまな形でそうしたヒットソングが生まれてきた。

今日は、日本テレビ系で放送されていた人気バラエティ「電波少年」シリーズの企画からヒットした名曲を取り上げる。

1992年から放送された「進め!電波少年」は、アポなし企画やヒッチハイクの旅、懸賞生活といったインパクトの強い企画が人気となり、司会者の松本明子や松村邦洋、 猿岩石やなすびといった芸人がブレイクした。
98年に番組名が「進ぬ!電波少年」に変わり、そこから派生した番組「雷波少年」内で、ヒット作を生み出してこれなかったバンドが3か月間合宿し、究極の一曲を作り出し、その曲がチャートTOP20入りを果たさなければ、即解散といった企画がはじまった。
そこで白羽の矢が立ったのは、1996年にメジャーデビューしたSomething ELseだ。

ストリートミュージシャンの聖地、千葉の柏から生まれ、メジャーシーンまで登り詰めたが、ブレイクするには至らずに、番組の企画に参加することになった。

そこで生まれた曲が1998年12月にリリースされた「ラストチャンス」だ。
元々「Give me a chance」というタイトルで生まれ、制作の経緯も逐一番組で取り上げられたこともあり、ボーダーラインのTOP20を遥かに上回るTOP3入りを初登場で果たした。
その後もセールスを伸ばし、首位を獲得し、ミリオン手前の大ヒットとなり、翌年の紅白歌合戦にも出場することになった。

彼らのストリート感が存分に味わえる、フォーキーなサウンドに、極限状態の中で生まれた強い意思を感じる歌詞が胸に響く、 キャッチーな一曲に仕上がっている。
切なさのなかに希望感のある歌メロや、効果的なコーラスワークなど、耳に残る部分が多い作品だ。

こうして、番組の企画によりブレイクを果たした彼ら。
記憶に残る強烈な一曲を、ベストなタイミングで発表できたが、彼らの良さを存分に引き出せたこともヒットの要因と言える。
その後も活動を続け、2006年に解散。
現在はそれぞれ歌手として、プロデューサーやディレクターとして、別々に活動を行っている。

ラストチャンス
カテゴリ: オルタナティブ